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先日、銀行に勤めている友人と久しぶりに会って話をした。私が声優学院に通って、声優への道を歩み始めた(かどうか。まだスタートラインに立ったままかもしれない。)ことに話が及んで、彼女は言った。「やりたくて入ったんだから、がんばって欲しいけど、人生、そんなに甘くはないでしょ? だめだったらどうするの?」
彼女の言葉はそのまま父や母に言われたことだった。私のことを真剣に考えてくれているからこそ出た言葉。社会の厳しさを知っているからこその言葉である。私はこう答えた。「それでもやる。がんばる。」
答えになっていないと言われたが仕方がない。これが正直な気持ちなのだから。
私がここ、勝田声優学院に入学して、もう7ヶ月になる。時間は私を待ってはくれない。いったい私はこの7ヶ月の間になにをしていたんだろう。自分なりに勉強し、吸収していこうとがんばってきたつもりが、とんでもない。何ひとつ満足に出来やしないではないか! 1つの台詞の中に込められた物を見抜けず、キャラクターの個性を生かすことも出来ず、授業の度に自己嫌悪で眩暈がする始末。それなのに「声優になる」だなんて。
「人間、身の程を知れ」とは私のためにあるのではないだろうか。
ああ、情けない。
ただ唯一の救いは、良き師・良き先輩・良き友人に恵まれたことだ。我がCクラスから始まって他のクラスにも何人もの素晴らしい友人ができた。厳しく、温かく導いてくださる先生や先輩方。共に学ぶ仲間達。この人々に囲まれて、私は人間として、声優として成長していける。きっと。だから私はもっと、もっとがんばらなくてはいけない。この素晴らしい環境に甘えている今の私。こんなことではいけない。おいてきぼりを喰ってしまう。
そこで今、新たに誓おう。
今までの自分を反省し、もう一度初心に戻ってがんばること。人間として、演技者として魅力のある人になれるよう努力をしていくこと。そして、必ず声優になることを!!
1992年11月発行「Say You」第36号より抜粋
〜特別メッセージ〜 2001.10.24 現在の萩原えみこさんより
今こうして読み返してみると、硬いというか、緊張して書いていますね(笑)。この頃の私は視野もせまく、頭もカチカチになっていた気がします。
声優やナレーターというお仕事は現場での瞬発力や柔軟性、たくさんの引き出しを求められます。先輩がたはそれを楽しくこなし、さらに興味や好奇心を持って、幅を広げていらっしゃるんです。
学院生の頃、私の硬い頭をほぐしてくれたのは、この文章にあるように先生や先輩、友人達でした。その方々は私が学院で得た宝物です。
『ゴール』は声優・ナレーターに「なる」ことではありません。当時の私には『ゴール』に見えていたものは『スタート』でした。いつまでたっても『ゴール』にはつけないと思います。
大事なのは、その道程を楽しくしていける事ですから♪
改めて、この一所懸命だっただけの私に恥ずかしくないように自分らしくがんばっていきたいと思います♪ |